癌細胞の浸潤・転移におけるインテグリンファミリーの役割
Project/Area Number |
06281272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 部長 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 厚 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 研究員 (30250343)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 癌転移 / インテグリン / リボザイム / 細胞接着 / ラミニン / ヌードマウス |
Research Abstract |
1.インテグリンα6サブユニットを特異的に切断するリボザイム遺伝子を化学的に合成し、そのヌクレアーゼ活性をin vitroで転写したα6サブユニットmRNA断片を用いて確認した。この合成リボザイム遺伝子をヒト線維肉腫細胞HT1080に強制発現させたところ、インテグリンα6β1の発現が対照細胞の30〜40%に低下した細胞株(クローン1A6および2B6)が得られた。これらの細胞株はラミニンへの接着能が特異的に低下しており,再構成基底膜への浸潤能も有意に低下していた。一方、in vitroでの増殖能に関しては、対数増殖期に入るまでの時間が対照細胞に較べて若干遅れる傾向は見られたが、対数増殖期での増殖速度には有意な差は認められなかった。対照細胞とα6β1発現抑制細胞株をそれぞれヌードマウスの尾静脈より注入したところ,対照群では高率で肺に転移巣を形成したが、発現抑制細胞クローン1A6では肺への転移は全く認められなかった。また、クローン2B6の場合も、肺への転移があったのは、わずか12匹中1匹だけであった。これらの結果は、ラミニンに対する主要な接着レセプターであるインテグリンα6β1が癌細胞の転移形成において重要な役割をはたしていることを強く示唆している。 同様にして、インテグリンα4サブユニットを特異的に切断するリボザイム遺伝子を化学的に合成し、これをヒト横紋筋肉腫細胞RDに強制発現させ、インテグリンα4β1の発現が対照細胞の約10%に低下した変異細胞株を分離した。この細胞株をヌードマウスの尾静脈から注入したところ、対照細胞では17匹中11匹に肺転移を認めたが、α4β1発現抑制細胞では17匹中4匹のみに肺転移が認められた。この結果は、α6β1だけでなく、α4β1もがん細胞への肺への転移に関与していることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)