新しい作用機序をもつ天然物由来の抗がん物質の探索と開発
Project/Area Number |
06282202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90221241)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁森 英幸 北海道大学, 薬学部, 助手 (70202108)
石橋 正己 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90212927)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
|
Keywords | 抗がん剤 / 殺細胞活性 / チロシンキナーゼ / トポイソメラーゼ / P-糖タンパク質 / 薬用植物 / 海洋天然物 |
Research Abstract |
本研究では、陸棲ならびに海洋産の動植物および微生物を素材として新しい作用機序をもつ抗がん剤の探索と開発を目的とする。スクリーニング法として、従来の殺細胞活性に加えて、新しい分子標的であるチロシンキナーゼ、トポイソメラーゼ、P-糖タンパク質などに対する作用を対象としている点が特徴である。以下に本年度の研究成果の概要を報告する。 北海道産イチイ(Taxus cuspidata)より数種の転位型タキサン骨格をもつ新規ジテルペン化合物(TaxuspinA〜C)を分離した。このうちTaxuspinBとCにはヒト卵巣癌の耐性発現株2780AD細胞において抗癌剤ビンクリスチンの蓄積増強作用が認められ、その強さは既知のP-糖タンパク機能阻害物質として知られるベラパミルとほぼ同等であった。一方、構造の類似した抗癌剤タキソ-ルでは逆にビンクリスチンの蓄積低下が観察され、またTaxuspinBとCではタキソ-ルのような顕著なチューブリン脱重合阻害作用や殺細胞活性は認められなかった。この他、海綿動物より新規チロシンキナーゼ阻害物質NakijiquioneAとB、ならびに新規トポイソメラーゼ阻害物質PlakoridineAおよびIsoplysineAを分離した。また、ホヤAplidium multiplicatumからはC-キナーゼ阻害物質ShimofuridinAを単離した。培養腫瘍細胞L1210およびKBに対する新規殺細胞活性物質としては、培養した海洋渦鞭毛藻Amphidinium sp.よりAmphidinolideL〜NおよびAmphidininAを分離した。この中でとくにAmphidinolideNの活性は強力であり(IC_<50>値0.00005および0.00006μg/mL)、これまで報告された海洋天然物の中で最も強力なものの一つに数えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)