がん遺伝子に特異的に結合できるペプチド核酸を用いる新しいがん治療法-高ハイブリダイゼーション能力をもつ新素材分子の可能性-
Project/Area Number |
06282220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 光雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40111679)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | がん / ペプチド核酸 / PNA / ハイブリダイゼーション / 水素結合 |
Research Abstract |
ごく最近、特定の遺伝子に結合できる全く新しいアンチ遺伝子である"ペプチド核酸(PNA)"がニールセンらによって開発された。このPNAは相補的なDNA二重鎖ときわめて強く結合し、3重鎖を形成することが発見され注目を集めている。本研究は、がん治療のための基礎研究として、一連のがんの制御蛋白をコードするmRNAに強力に結合し、その蛋白合成を特異的に阻害できるPNA分子を分子設計し、新しいがん治療法の開拓を目指すものである。 従来のPNA分子が一重鎖mRNAに結合できにくい欠点を理論的に理解するため、MOPACの半経験的分子軌道法であるPM3プログラムを用いてPNAとmRNA間の水素結合対形成の生成熱ΔHを算出してその安定性を調べた。その結果、A-U塩基対に関してはウラシルの5位に電子吸引性の置換基を導入すると対合するアデニン塩基との水素結合形成能が著しく高まることを見いだした。その傾向はウラシルの3位のNHとアデニンの3位のNとの水素結合が強化されることがわかった。電子吸引性の置換基ほど、この水素結合能は増し、水素結合距離も短縮されることがわかった。この実験事実に基づき、ウラシルの5位にニトロ基を導入したPNA分子合成のため、合成ユニットの開発をおこなった。その結果、ウラシルの5位にニトロ基が存在していると、この一連の反応操作で、含反応が起こることがわかり、ウラシル3位のNH基に保護基を導入することで、これらの含反応は防ぐことができた。現在この5-ニトロウラシル含む合成ユニットを用いて水素結合能の最も優れた4種類のヌクレオシド塩基をもつ数種類の"堅い"バックボーンをもつ10量体から20量体からなるPNAを化学合成することを検討している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)