Project/Area Number |
06282226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
織田 祥史 京都大学, 医学部, 助教授 (10026958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 孝一 田附興風会医学研究所, 研究員 (30250062)
高橋 潤 京都大学, 医学部, 助手 (80252435)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | CTL / transgenic mouse / IL-2 / IL-2 receptor β / gene therapy / brain tumor / adoptive immunotherapy / PCR |
Research Abstract |
1.遺伝子導入の確認:PCRによる遺伝子解析の結果、雄IL-2トランスジェニックマウスと雌正常マウスを掛け合わせるとその子孫の約1/3でヒトIL-2遺伝子が陽性となった。一方、IL-2Rβトランスジェニックマウスはホモで生育が可能なため、その子孫のほとんどは、PCRで陽性となった(>90%)。 2.Tumor growth curve:IL-2あるいはIL-2Rβトランスジェニックマウスおよび正常マウスに26G細胞株を皮下に接種し、その成長曲線を比較すると、IL-2トランスジェニックマウスでは正常マウスとくらべ腫瘍増大は明らかに抑制されたが生存期間は正常マウスと有意差がなかった。一方、IL-2Rβトランスジェニックマウスでは腫瘍増大の抑制とともに生存期間も延長し、そのうち約20%の腫瘍は消失した。 3.In vitro CTL assay:26G tumor-bearingマウスより採取したcytotoxic Tlymphocyte(CTL)(tumor bearing mouseの脾細胞を100U/mlのIL-2下で週1回の抗原刺激を加えて約5代以上培養してCTL richとしたもの)を26G tumor cellをtargetにしてin vitro Cr release cytotoxic assayを行うと、正常マウスのCTL,IL-2RβトランスジェニックCTLは活性に有意差はなく、IL-2トランスジェニックCTLでコントロールにくらべ2-数倍の活性の上昇が得られた。また。IL-2添加してassayを行うと、IL-2RβトランスジェニックCTLも活性の上昇が得られた。 4.トランスジェニックマウスの細胞よりのIL-2産生量skin fibroblastで10I.U./ml/10^5 cells/24hrs,spleen cellsで12I.U./ml/10^6 cells/24hrsとわずかであった。 5.in vivo cytotoxic assay:(1)Winn type neutralization assay--IL-2あるいはIL-2Rβトランスジェニックマウスおよび正常マウスより採取したCTLsを腫瘍細胞と混合して正常マウスの皮下に接種し、effectorとtargetの混合細胞液の比によりin vivo cytotoxic活性を比較した.14日目の腫瘍形成率で比較するとIL-2トランスジェニックマウスのCTLが最も腫瘍形成の抑制がみられた(10-20%)。(2)養子免疫療法モデル--腫瘍細胞を皮下接種の3日後、IL-2あるいはIL-2Rβトランスジェニックマウスおよび正常マウスより採取したCTLsをeffector cellsとして尾静脈より静注、腫瘍増大曲線、腫瘍形成率、あるいは生存曲線にて判定した.IL-2トランスジェニックマウスCTLsで治療すると腫瘍の1/4は消失した。 6.今後の計画:本研究によりIL-2あるいはIL-2Rβトランスジェニックマウスでは皮下腫瘍の増大が抑制され、腫瘍の排除のための免疫反応が高まっていることが示唆された。トランスジェニックマウスのどの細胞が腫瘍増大抑制に関わっているか調べるにより、最も効果的に遺伝子治療を行うのに有効な細胞を選ぶことができると考えられる。またトランスジェニックマウスを用いることで分離して継代培養して遺伝子導入が困難な免疫担当細胞にautocrine or paracrine刺激を加えることが容易であり、本研究ではIL-2遺伝子導入CTLが活性が高くin vivo studyにおいても興味深い結果を得ることができた.今後、他の免疫担当細胞を用いてサイトカイン産生vehicleとしてcytokine gene transferred fibroblastsを組み合わせて有効な遺伝子治療の方法を検討していきたい。
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