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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
1.ポリ(ADP-リポ-ス)シンテターゼ阻害剤のスクリーニング .数年来報告してきた同酵素阻害剤のリストに今回新たに,中等度(IC_<50>が1μM〜1mM)の阻害剤としてPhIPなどのヘテロサイクリックアミン,ベンジルなどのベスナリノン誘導体,各種6(5H)-フェナントリジノン誘導体、クマリン誘導体およびリン脂質を発見,追加した。 2.ポリ(ADP-リポ-ス)シンテターゼ阻害剤による胚性腫瘍細胞の分化誘導 マウスから株化されたテラトカルシノーマEC細胞の培養系を用いて,各種阻害剤の分化誘導能を調査した。その結果,今回新たに見出した阻害剤のいくつか(Ph1P,ベンジルベスナリノンなど)がEC細胞を,既知の誘導物質(レチノイン酸や3-アミノベンズアミド)以上に効率よく,神経系細胞などへ分化誘導することを見出した。 3.分化誘導過程におけるポリ(ADP-リポ-ス)代謝の変動の解析 上記テラトカルシノーマ細胞をレチノイン酸で分化誘導させる際,各時点で細胞ホモジネートを調製し,ウェスタンプロット法でポリ(ADP-リポ-ス)と同じシンテターゼ活性の変動を解析した。その結果,一般に腫瘍細胞の分化に際しては,ポリ(ADP-リポ-ス)シンテターゼ活性が(したがってポリマー量も)低下するとされているのに対し,少なくともレチノイン酸/テラトカルシノーマEC細胞の系では,低下する前のごく初期(1日以内)に一時的な亢進を示すことを見出した。この知見は,分化誘導にDNAの断片化が何らかの関連をもつことを示唆すると考えられる。
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