生体組織への遺伝子導入法を用いたがん治療の基礎研究
Project/Area Number |
06282235
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 安史 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (10177537)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
|
Keywords | HVJ-リポソーム / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 細胞増殖抑制 / E2F / 細胞周期調節因子 / がん治療 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
HVJ-リポソーム法を用いて、細胞周期調節遺伝子のアンチセンスオリゴの投与による細胞周期の抑制を試みた。血清刺激によるVSMCの増殖は、PCNAとcdc2キナーゼのアンチセンスの組合わせ、cdc2キナーゼとcyclinB1或いはcdc2キナーゼのアンチセンスの組合わせにより完全に抑制され、この結果はin vivoにおいても証明された。次に、これを用いて、メラノーマの細胞増殖の抑制を試みた。培養ヒトメラノーマ細胞にPCNAとcdc2キナーゼのアンチセンスオリゴの導入を行なったが、センス投与群と比較し、有意な増殖抑制は認めなかった。そこでG1サイクリンであるcyclinD1或いはD3のアンチセンスオリゴをヒトメラノーマ細胞に導入し、3日後の^3H-チミジンの取り込みを調べたところ、サイクリンD1、D3のアンチセンス投与群はセンス投与群に比して、DNA合成能をほぼ90%抑制した。 次に、2重鎖オリゴの導入による転写因子の抑制と細胞増殖の抑制を試みた。細胞増殖周期調節遺伝子(PCNAとcdc2キナーゼ)やある種のプロトオンコジーン(n-myc,c-myb)は、共通の転写因子E2Fにより、その転写が抑制されている。E2Fは、休止期にはRb等とcomplexを形成しているが、細胞周期がstartし、Rbがリン酸化されるとcomplexより遊離し、上記の遺伝子の上流に結合し、転写を促進する。その結合部位はTTTCGCGCというコンセンサス配列を有するので、このTTTCGCGCを含む20merの2重鎖DNAをHVJ-リポソームによりVSMCに導入し、その細胞増殖抑制効果を調べた。3μMのオリゴDNAの投与によりVSMCの血清刺激によるDNA合成能、増殖は完全に抑制された。in vivoにおけるVSMCの異常増殖も、同様の手法で1回の投与により8週間、70〜80%の抑制が得られた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)