Project/Area Number |
06282236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉崎 和幸 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (90144485)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / ミエローマ細胞 / Interleukin6(IL-6) / 抗IL-6レセプター抗体 / IL-6シグナル伝達 / ヒト型化抗体 / IL-6トランスジェニックSCIDマウス |
Research Abstract |
IL-6は骨髄腫(ミエローマ)細胞の増殖因子である。本研究ではIL-6とレセプターとの結合を阻害することによるミエローマ細胞増殖抑制の有無を検討した。1.ミエローマ細胞のサイトカイ受容体発現。患者より得たミエローマ細胞と、ミエローマ細胞株上の種々サイトカイン受容体(16種)の発現をFACSを用いて解析した。その結果、IL-6Rは8例中7例に、5株中4株に認められた。IL-6のシグナル伝達分子であるgp130は全例で認められた。2.IL-6とIL-6受容体との結合阻害によるミエローマ細胞増殖抑制(in vitro)。患者より得られた細胞を用いてIL-6,IL-6R,gp130に対する抗体による増殖抑制を検討した。この実験では臨床応用を目指し抗IL-6R抗体はヒト型化したモノクロールナ抗体、rhPM-1,を用いた。即ち抗原認識に直接必要な部分以外をすべてヒトの免疫グロブリンに置換することにより、ヒトに投与する時異種蛋白として認識されにくい利点がある。ミエローマ細胞の増殖抑制をこれらの抗体を添加し検討したところ、いずれの抗体においても増殖抑制効果が認められた。このような阻害作用はIL-6を添加した時ばかりでなく無添加時にも認められた。更にこの細胞がIL-6を産生することから、この細胞がIL-6を産生し、自ら産生したIL-6により増殖するオートクライン増殖メカニズムを有すことが示された。よって用いたrhPM-1はIL-6のオートクラインとパラクラインのいずれの細胞増殖機構も阻害し得ることが示された。3.IL-6トランスジェニックSCIDマウスを用いたミエローマ細胞増殖抑制(in vivo)。in vivoにおいてもrhPM-1がミエローマ細胞の増殖を抑制するかどうかを、IL-6トランスジェニックを用いて検討した。患者ミエローマ細胞をマウスに移植し、rhPM-1がミエローマ細胞の増殖を抑制するかどうかを、IL-6トランスジェニックSCIDマウスを用いて検討した。患者ミエローマ細胞をマウスに移植し、rhPM-1を投与して血中M蛋白を測定したところ、増加抑制がみられた。このことからin vivoにおいてもrhPM-1はミエローマ増殖抑制が示唆された。
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