細胞死を引き起こすDNA二本鎖切断酵素遺伝子を標的とする化学療法剤の開発
Project/Area Number |
06282240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
綿矢 有佑 岡山大学, 薬学部, 助教授 (90127598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | DNA二本鎖切断 / 細胞死 / 化学療法剤 / がん / 分子機構 / エンドヌクレアーゼ / カポトーシス / dNTPプール |
Research Abstract |
我々はDNA合成の前駆体であるデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTPと略す)の細胞内プールが不均衡となると、DNA二本鎖切断、及びそれに伴う細胞死(apoptosis)が起こることを明らかにした。さらに、細胞内dNTPプールの不均衡時にDNA二本鎖切断を誘導する酵素(endonucleas)の出現を見い出し、細胞のlysateからこの酵素をSDS-PAGEでsingle band(40kDa)になるまで精製した。このendonucleaseの至適pHは6.0〜6.5であり、DNA二本鎖切断活性の発現に二価金属イオンを要求せず、二価金属イオンによってその活性がむしろ抑制された。この酵素はZn^<2+>によって著しく阻害され、二価金属イオン非依存的DNA二本鎖切断活性を有する新規なendonucleasである事が分かった。さらに、このDNA二本鎖切断酵素をFM3A細胞の核に作用させると、核のDNAはapoptosisの特徴である約180bpごとのnucleosome単位のladder状に断片化された。このDNA切断の5′末端にはリン酸基があり、酵素活性はnuclease inhibitor(anrintricarboxylic acid)により抑制された。この酵素をSDS-PAGEで分画しゲルより回収した。本酵素のN-末端はブロックされていたのでlysyl endopeptidaseで限定分解した後HPLCでペプチドを分離し、現在、それぞれのアミノ酸配列の解析を行っている。我々は人為的にこの酵素を誘導することができれば細胞を死へ導く事ができると考え、本酵素の遺伝子の発現抑制機構を標的とする制がん剤の開発を目的として研究を遂行している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)