P-糖蛋白質の関与しない多剤耐性の機構と、その克服方法の開発
Project/Area Number |
06282249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋山 伸一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 みさ子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10244229)
住澤 知之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90206582)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | 多剤耐性 / MRP / トポイソメラーゼII / P-糖蛋白質 |
Research Abstract |
多くの抗癌剤に同時に耐性になった多剤耐性(MDR)癌細胞で過剰に発現するP-糖蛋白質が、エネルギー依存性の薬剤排出ポンプであることが明らかにされ、臨床での治療抵抗性腫瘍との関連性が報告されている。しかしながら、臨床でのMDRはP-糖蛋白質のみでは説明できないことが益々明瞭になってきた。さらに、P-糖蛋白質の発現が見られないにもかかわらずMDRの形質を獲得したヒト白血病細胞株(HL60/Adr)、肺小細胞癌株(H69AR)が分離されている。トポイソメラーゼIIの量的、質的変化によってMDR形質を獲得したatypical MDR細胞とは異なる交差耐性パターンを示す(ビンカアルカロイド系抗癌剤にも耐性である)これらの多剤耐性細胞はnon-P-glycoproteinmediated MDRと呼ばれ、その耐性機構の解明が競って行なわれはじめたところである。我々はP-糖蛋白質の関与しないMDRの機構を解明するために、ヒト癌KB細胞よりMDR克服薬剤であるセファランチン存在下に段階的に培地中のアドリアマイシンの濃度を上昇させ、アドリアマイシン耐性株(C-A90、C-A120、C-A500、CA-1)を分離した。さらにC-A500細胞より完全復帰変異株(CA-R)も分離した。C-A500はMDR形質を示したが、P-糖蛋白質は発現しておらず、200kDaの膜蛋白質の発現が増加していた。また、MDR-associated protein(MRP)遺伝子のmRNAが増加しており、MRP遺伝子の増幅が認められた。復帰変異株では200kDa蛋白質、MRPmRNAの発現、MRP遺伝子の増幅はともに認められなかった(Somat.Cell.Mol.Genet.,20,423-435,1994)。 最近、JedlitschkyらはMRPが〔^3H〕ロイコトリエンC4(LTC4)でフォトラベルされることを見出した。我々もC-A120細胞から調整したmembrane vesicleが、KB-3-1細胞由来のmembrane vesicleより15倍も多くの〔^3H〕LTC4を取り込むことを確認し、この取り込みのほとんどがATP依存性の輸送によるものであることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)