生体内防御因子の合成促進による制がん剤の副作用軽減
Project/Area Number |
06282256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 章 東北大学, 薬学部, 教授 (80155952)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | メタロチオネイン / 合成誘導剤 / プロモーター / β-ガラクトシダーゼ / 転写促進 |
Research Abstract |
メタロチオネイン(MT)の合成を誘導する化合物を検索することを目的として,まず,検索に用いる細胞株を作製した。すなわち,ヒトMTプロモーターの下流にlacZ遺伝子を連結したプラスミドをマウスL細胞にtransfectすることによって,lacZ遺伝子産物であるβ-ガラクトシダーゼ(β-Gal)をMTプロモーターの支配下に発現する数種のstable transformantを得た(L/MPZ細胞)。このL/MPZ細胞を用いて,約200種類の化合物についてスクリーニングを行ったところ,微生物培養液中から単離された化合物であるNA1301が強いMTプロモーター活性化作用を示すことを見いだした。β-Gal活性の上昇を指標にしてNA1301のMTの合成誘導活性をこれまで知られている最も強力なMT合成誘導剤である亜鉛と比較したところ,NA1301は亜鉛とほぼ同程度のMT合成誘導活性を示した。この効果を細胞毒性を考慮して評価すると,NA1301は細胞毒性を示さない濃度で顕著なMT合成誘導活性(β-Galの上昇)を示したのに対して,亜鉛は細胞毒性とMT合成誘導活性を示す最低濃度がほぼ同程度であったことから,NA1301は亜鉛よりも数段優れたMT合成誘導剤と考えられる。MT合成誘導活性を示すことが知られている亜鉛およびデキサメタゾン(Dex)はそれぞれMTプロモーター上の異なる塩基配列を認識してMT合成を誘導するが,NA1301をこれら化合物と併用したところ,相乗的なMTプロモーターの活性化が観察された。この結果からNA1301は亜鉛およびDexとは異なる機構でMTプロモーターを活性化する新しいタイプのMT合成誘導剤と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)