新しい遺伝子ベクターの設計:DNAを内包するcore-shell型ブロック共重合体ミセルの構築とがん遺伝子治療への展開
Project/Area Number |
06282260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (00130245)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 遺伝子ベクター / DNA / ブロック共重合体 / 高分子ミセル / ポリエチレングリコール / ポリリシン / ポリイオンコンプレックス / 人工ウイルス |
Research Abstract |
がんの遺伝子治療を成功させるには、生体内で安定に遺伝子を保持し、細網内皮系等の異物処理機構による認識を免れて、効率良く目的部位における遺伝子導入を達成せしめるベクターシステムの構築が不可欠である。本研究の目的は、内核に遺伝子を保持し、かつ表層部に目的細胞による取り込みを促進させるパイロット分子を連結した標的指向性高分子ミセル型遺伝子ベクターを設計することにある。この様なミセル型ベクターの調製にあたって、本年度は、高分子ミセルの外殻を構成するセグメントであるポリエチレンクリコール(PEG)の末端に、種々のパイロット分子と結合可能な官能基を効率良く導入する方法論を確立するとともに、ポリエチレングリコール/ポリリシンブロック共重合体からなる高分子ミセル中に、安定に遺伝子DNAを取り込む事に成功した。その概要を以下に記す。 1.両端側に異なる官能基を有するPEG合成手法の確立:パイロット分子と容易に反応可能な官能基としてformyl基に着目し、PEG末端への導入をはかった。すなわち、formyl基の保護基であるacetalを有する開始剤を用いてエチレンオキシドの重合を行った後に、生長末端にtosyl基を反応させることによって、α-acetal-ω-tosyl-PEGを収率良く得ることに成功した。 2.PEG/ポリリシンブロック共重合体ミセル中へのDNAの安定包接化:PEG/ポリリシンブロック共重合体を、PEGの末端一級アミノ基からのγ-carbobenzoxy-L-lysine-N-carboxyanhydride(NCA)の重合により合成した。得られたブロック共重合体について、静電結合を介したDNAとの複合体ミセルの形成を行なわせた。その結果、この複合体ミセルは、溶解性、安定性ともに、従来のポリリシン/DNA系に比して格段に優れており、直径数十nmの粒子として存在することを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)