Project/Area Number |
06282267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 好 (財)東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 研究員 (60192324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 美和子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40192538)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / イノシトールリン脂質 / ホスホリパーゼC / インヒビター / 大腸癌 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
PLC活性阻害(PCI)ペプチドTyrArgLysMetArgLeuArgTyrの細胞透過性を向上させるため、ペプチドのN末端にアシル基を、またC末端にアミド基を導入した修飾体を既知の方法により合成した。N末端の修飾に用いるアシル基として長さの異なる直鎖脂肪酸を用いたが、ミリスチン酸が最大の細胞膜透過性を示した〔myr-PCI(Y)〕。一方、PCIペプチドの両端のTyrをPheに置換したmyr-PCI(F)も同様に合成した。 これら精製ペプチド標品の細胞レベルでのPLC活性抑制能を検討した。PLC情報系が恒常的に亢進していることが確認されている家族性大腸線腫症患者(FAP)由来大腸癌細胞、KMS-8では血清刺激依存性のIP_3産生をmyr-PCI(Y)が低濃度でほぼ完全に抑制した(IC_<50>=0.2μM)。一方、myr-PCI(F)のIC_<50>値は20μMであった。さらに、各種ヒト大腸癌由来の細胞をモデルとして使用し、myr-PLC阻害ペプチドの細胞増殖に及ぼす効果を測定した。その結果、KMS-8細胞の血清刺激に依存するDNA合成や生細胞数の増加がmyr-PCI(Y)の濃度依存的に抑制された(IC_<50>=0.5μM)。同様の現象は、PLC情報系が恒常的に亢進しているKMS-4細胞でも観察された。一方、アミノ酸置換によりPLC阻害活性が減弱したmyr-PCI(F)は、増殖抑制効果を示さなかった(IC_<50>>20μM)。以上の使用濃度では、myrPCI(Y)およびmyr-PCI(F)共に細胞毒性は示さなかった。 以上の結果より、PLC活性を直接阻害するインヒビターペプチドが、ある種の癌細胞増殖を効率良く抑制することが明らかになったことから、PLC阻害剤がPLC情報伝達系の亢進している癌に対して抗癌剤として用いることができる可能性が示された。
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