アポトーシス抑制遺伝子bcl-2トランスジェニックマウスを利用した発がん機構の解析
Project/Area Number |
06283220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 賀英 大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 真司 大阪大学, 医学部, 助手 (20243214)
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Project Period (FY) |
1994 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥30,000,000 (Direct Cost: ¥30,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Keywords | アポトーシス / プロテアーゼ / ICE / プログラム細胞死 / bcl-2 / ミトコンドリア / ネクローシス / 細胞死 / bcl-2遺伝子 / ICE遺伝子 / リンパ腫 |
Research Abstract |
種々の刺激で惹起されるアポートシスのシグナルは、最終的に共通経路に集約される。Bcl-2およびBcl-xLは、ほとんと全ての刺激で誘導されるアポトーシスを抑制しうることから、Bcl-2,Bcl-xLはアポトーシスの共通経路のクリティカルなステップを抑制制御しているものと考えられている。しかし、その生化学的機能は不明であり、本年度はその解明を主目的とし、特にネクローシス系の利点を利用した解析を行なった。 1.アポトーシスを抑制するBcl-2やその類似遺伝子産物Bcl-xL、およびICEファミリーシステインプロテアーゼ(アポトーシス実行因子)の阻害剤が、ミトコンドリア呼吸鎖の阻害剤で誘導されるネクローシスを抑制することを示した。このことは、少なくとも一部のネクローシスとアポトーシスのシグナルが共通ステップを通過することを示している。 2.呼吸鎖の阻害剤で誘導されるネクローシスは、その細胞死に至る過程、特にミトコンドリアにおける変化がよく解析されているのでミトコンドリアを細胞局在場所に持つBcl-2やBcl-xLの機能解析に有用と判断し解析を行った結果、Bcl-2,Bcl-xLは、細胞死の時にみられるミトコンドリアの膜電位の低下を抑制しうることが明らかなった。 3.ネクローシスに限らず、Bcl-2,Bcl-xLはアポトーシス時に起こるミトコンドリアの膜電位低下も抑制した。 5.ICE阻害剤は、細胞死を抑制するが、ミトコンドリア膜電位の低下は抑制できなかった。これらの結果は、ミトコンドリアの膜電位低下が細胞死(アポトーシスおよびネクローシス)の重要な引金になっていることを示唆しており、Bcl-2,Bcl-xLはその電位低下を抑えることにより細胞死を抑制していると考えられる。一方、ICE様プロテアーゼはミトコンドリアの膜電位低下より下流で機能していると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)