Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
最近の3次元多様体論の成果を概観し,今後の研究方向について色々な角度から討論をおこなうため,東京工業大学で12月19日より4日間のべ150名の参加者を集め「3次元多様体論」と題した研究集会を開催した. 午前中は北野晃朗(東工大)が中心になり,接触構造,カット&ペースト,写像類群に関する最近の成果についてサーベイを行った.午後は分担者と小林穀(奈良女子大)がそれぞれ座長を勤める5つの特別セッションを催した.森田茂之は,河野俊丈(東大)・深谷賢治(京大)・村上順(阪大)・N.Reshetikhin(Berkeley)の各氏の講演を集め,無限次元を経由して得られる3次元多様体の位相不変量についての研究の最近の展開を網羅した.吉田朋好は,松本幸夫(東大)・高倉樹(福岡大)・橋本義武(阪市大)の各氏の講演を集め,リーマン面の研究との係わりの重要性を強調した.神島芳宣は,D.McCullough(Oklahoma)・S.Hong(Pusan)の両氏を講演に招き,3次元多様体の写像類群に関する米国での研究の展開を紹介した.相馬輝彦は,大鹿健一氏(東工大)と共同で,不連続群論と3次元多様体論という2つの分野の相互作用の最近の展開とその魅力を,トポロジスト向けに概観した.小林穀は,作間誠(阪大)・D.Heath(奈良女子大)の両氏と共に,Heegaard分野に関する最近の興味深い成果を挙げ,古典的な手法の有用性を披露した. やや発散気味の研究集会となったが,多数の参加者を集め充実した討論ができた.今後の研究方向について答えは1つではないが,重要な問題と進むべき方向がいくつか示唆され,当初の目的は達成できたといえる.
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