Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 健雄 北海道大学, 理学部, 助教授 (20212201)
川井 浩史 神戸大学, 理学部, 助教授 (30161269)
加藤 敦之 北海道大学, 理学部, 助教授 (90177428)
三室 守 岡崎国立研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40142004)
加藤 哲也 京都大学, 理学部, 助教授 (30025308)
渡辺 正勝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40124226)
白岩 善博 新潟大学, 理学部, 助教授 (40126420)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
クロミスタはストラメノパイルにクリプト藻類,ハプト藻類を加えた分類群であるが,ここではクロロフィルa・cをもつことに注目して渦鞭毛藻も加えて研究対象とした。 黄色植物については,特に海産黄金色藻綱に注目して培養株を確立し,微細構造と分子による系統の解析に用いた。その結果,本研究で新たに発見されたSulchochrysisとPhaeomonasは黄色植物全体の系統のなかで,従来の綱のレベルの分類群のいずれにも属さない独自の生物であることが明らかになり,黄色植物の分類と系統が再検討を要することを示した。 5SrRNAは多くの場合他のrRNAの遺伝子と離れた位置で反復配列しているが,褐藻類では25SrRNAの下流にリンクしてコードされている。このことの系統的意義を明らかにするために,11の藻類鋼(4植物門)の生物を対象に調査したところ,シヌラ藻と珪藻を除く黄色植物の多くのグループで褐藻綱と同様に5Sは18S-5.8S-25SrDNAと同じ反復配列の中に含まれることがわかった。このことから,リンクした状態が原始的であり,シヌラ藻と珪藻で分離が起こったと結論した。 渦鞭毛藻では,眼点の構造と葉緑体の性質に注目して解析したところ,フコキサンチンをもつ渦鞭毛藻では眼点が3重の膜をもつことがわかった。これはペリディニンを主要なカロチノイドとしてもっていた渦鞭毛藻で葉緑体が退化して眼点に変わり,代わりにフコキサンチンをもつ真核藻類を取り込むことで新たな葉緑体を獲得したグループであると解釈できる。 ハプト藻については,光合成と石灰化の関連に注目して細胞のもつ特性を解析した。成果のひとつは,細胞外の無機炭素が枯渇すると円石藻は細胞表面の炭酸カルシウムを二酸化炭素の供給源として利用することがあきらかになった。 いろいろな藻群を対象に光化学系にかかわるアンテナ色素タンパクの比較解析,光感覚システムの比較解析を行い,そのなかでクロロフィルa・c生物群の占める位置について調査した。 クロミスタ・ストラメノパイルを構成するメンバーである卵菌とラビリンチュラについて,培養株の確立につとめ,それぞれについて10数株を確立した。これらは順次形態,分子系統,光感覚システムの研究対象として供される。
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