Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 弘 北海道大学, 理学部, 助教授 (40000872)
鏡味 洋史 北海道大学, 工学部, 教授 (70016476)
城 攻 北海道大学, 工学部, 教授 (00002014)
笹谷 努 北海道大学, 理学部, 助教授 (10002148)
西田 泰典 北海道大学, 理学部, 教授 (60000874)
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Research Abstract |
今回の地震は,地震波による本震のメカニズム解析から,大きな応力降下量を持つプレート内地震であったことが示された。.それは,余震分布,強震動の特徴からも,支持された.南千島の地震テクトニクスの検討によると,海嶺でのプレート生産と関連した地下構造が地震発生のブロックを支配し、太平洋プレートの斜め沈み込みによる,西向きの運動力が付加されやや複雑な地震メカニズムを示すことが推定された.このタイプの地震は陸に近いプレート内部で発生するために,プレート境界地震よりも津波の到達が早く,防災的には注意が必要と指摘された.また,釧路市内で展開されていた,強震計のアレイ観測により,地表加速度の地域性がこれまで以上に明かに成った.地殻変動,全磁力の繰り返し観測により,地震に伴う東方変位,この地震前の圧縮応力場に対応する全磁力の増加が観測された.また,大地震後の火山地域の地震活動の活発化が報告された. アンケートによる詳細な震度調査によると震度と地形,表層地質の関係が北海道東部の広域について明らかになり,他の被害との関係,さらには今後の防災対策の基礎データを提供した.地盤災害と土木構造物については,前回の釧路沖地震との比較が行われ,再液状化が目立って発生しており,1度の地震で簡単には地盤が縮まらないことが示され,本格的な液状化対策が公共物については必要との指摘が成された.また,ライフラインの被害については,電力・都市ガス・上下水道・道路・鉄道について調査し,全体のシステムとしての関連について検討された.これらに対する,地域行政の対応,住民,防災機関のとった,あるいは備えていた危機管理にの実際について検討を加えた.津波災害は,震源から遠い三陸海岸で大きな波高を示した地域があった.これは,津波の指向性によるものである.
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