Budget Amount *help |
¥36,000,000 (Direct Cost: ¥36,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥12,600,000 (Direct Cost: ¥12,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
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Research Abstract |
結晶粒径の微細化及びナノ粒子の分散は強度の上昇に大きな役割を果たすが,破壊靱性の観点からは逆の効果を招く.破壊靱性を向上させるためには,フェイルセーフの概念に基づいた部分的に小さく壊して材料全体の破壊を防ぐことのできる不均質な組織が必要であり,かつ破壊過程を3次元的に制御する必要がある.本研究では,セラミックス単体,ナノ及びハイブリッド複合材料を作製し,破壊過程及び靱性上昇機構を定量的に評価した.すなわち,微視破壊過程を制御した高靱性セラミックス基複合材料の開発を目的とした.材料としては,Al_2O_3多結晶体,SiCナノ粒子分散Al_2O_3マトリックス複合材料,Al_2O_3粒子分散SiCマトリックス複合材料,針状LaAl_<11>O_<19>析出SiCナノ粒子分散Al_2O_3マトリックス複合材料とし,微視組織-破壊靱性-破壊強度の相互関係、微視組織-破壊経路-破壊靱性の関係を定量的に調べた.焼結プロセスの改善による結晶粒径の微細化及び欠陥寸法の減少は高強度化を招き,従来より2倍の強度を持つAl_2O_3多結晶体の作製を可能としたが,破壊靱性はほとんど変化せず,破壊強度は欠陥寸法に依存するとの線形破壊力学の概念が有効に働いた.SiC-Al_2O_3係複合材料の破壊機構に対しては,SiC粒子がき裂を引き寄せき裂のピニングを起こし,Al_2O_3粒子はき裂を押し出しき裂の偏向を起こす様子がシミュレーションされ,添加粒子の分散状態によるき裂進展経路及び破壊靱性の変化が定量的に評価された.また,AEによる微視破壊過程の3次元評価及びSEMによる破面観察の結果,Al_2O_3多結晶体中に分散されたSiC粒子はき裂の粒内進展を誘導し,き裂の応力腐食による進展速度を低下させることも分かった.本研究では,以上の微視組織と破壊機構に関する知見から,高強度,高靱性複合材料の開発を目指した.
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