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¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
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Research Abstract |
平成6年度科学研究費補助金の交付を受けてガラスビ-ドマシンを購入し,融剤:試料=3:2のガラスビ-ドを用いた花崗岩の微量成分分析法を開発した。そして,花崗岩の化学組成とCHIMEモナザイト・ジルコン年代から高温変成作用と深成作用の時空関係を解析し,次の結果を得て公表した。 1.飛騨片麻岩の原岩堆積は石灰紀(約3.5億年)以降であり,変成作用は古生代末(約2.5億年)に起こった。飛騨片麻岩中に小岩体として存在する灰色花崗岩は高温変成作用のピーク(約2.5億年)に貫入したものであり,全岩微量成分量から,少なくとも3種のマグマが固結して多様な岩相を生じたことが明らかになった。 2.カリ長石の^<40>Ar/^<39>Ar年代と共存鉱物のK-Ar年代を測定し,花崗岩体の冷却速度を17〜32℃/Maと見積もった。また,^<39>Ar拡散の活性化エネルギーを23.3〜53.4kcal・mol^<-1>,Do/a^2を0.0297〜1.73×10^5s^<-1>と計算した。 3.南部北上帯の高温型壺ノ沢片麻岩の変成年代は約430Maである。この片麻岩に伴う花崗岩(従来,氷上花崗岩と一括していたもの)には約430Ma,約350Maと250Maの3種類の花崗岩体があることを明らかにした。 4.中部地方領家帯の変成岩と花崗岩の時空関係について,(1)領家変成作用の年代が101〜98Ma,(2)領家新期花崗岩で相対的に古い三都橋花崗岩が84Ma,(3)新期花崗岩最末期の武節花崗岩は79〜75Ma,(3)苗木花崗岩は67Maで最も新しい武節花崗岩との間に約1千万年の時間間隙があること,を明らかにした。 領家片麻岩中の砕屑性モナザイト粒子のPb拡散プロファイルを測定して,620℃で1.9±0.3×10^<-21>cm^2/s,680℃で1.5±0.3×10^<-20>cm^2/sの拡散定数を得た。これから,モナザイト中のPb拡散の活性化エネルギーを2.44×10^5J・mol^<-1>,頻度因子を3.4×10^<-7>cm^2/sと計算した。
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