Project/Area Number |
06452314
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉永 日出男 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40005856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 冬樹 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30243968)
連川 貞弘 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (40227484)
中島 英治 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (80180280)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Keywords | 粒界移動 / Fe-3%Si合金 / 2次再結晶 / 易動度 / 駆動力 / 方位依存性 / 溶質雰囲気引きずり機構 / 粒界拡散 |
Research Abstract |
これまでの我々の研究により結晶性材料の粒界エネルギーは粒界の方位関係、すなわち粒界構造に強く依存することが明らかとなっている。そこで本研究では、粒界の移動やすべりの難易に及ぼす界面構造の効果について明らかにするために、再結晶中の粒界の移動速度の方位依存性が問題となっている方向性電磁鋼板の材料であるFe-3%Si合金について粒界移動の機構について検討を行い、集合組織の形成との関連を明らかにした。 1.粒界移動機構:粒界移動速度はある臨界の駆動力を境にして不連続に変化し、駆動力の大きさによって移動機構の異なる2つの領域が存在することが明らかとなった。粒界移動の活性化エネルギーは高駆動力域ではα-Feの粒界拡散の活性化エネルギーと、低駆動力域ではα-Fe中のSiの固有拡散の活性化エネルギーとほぼ等しいことから、粒界は、低駆動力域においては、粒界と溶質原子との相互作用により形成されたSiの溶質雰囲気を引きずりながらドリフト運動していると考えられるのに対し、高駆動力域ではSiの溶質雰囲気から離脱して運動しているものと考えられる。さらにこのような移動機構の遷移は温度の変化によっても起こることが知られた。 2.易動度の方位依存性:易動度の方位依存性は上述の2つの領域で異なる。粒界がSiの溶質雰囲気を引きずりながら運動している場合には、Σ9粒界の易動度がランダム粒界、Σ3粒界やΣ5粒界よりも大きいのに対し、溶質雰囲気から離脱して運動している場合には、逆にΣ9粒界よりもランダム粒界の易動度が大きくなり、易動度の粒界性格依存性も小さくなる。このような易動度の粒界性格依存性が変化する温度は、駆動力にも依存するが、実用材において2次再結晶が生じる場合の駆動力に近いときには1100℃近傍で起こる。実用的には約1100℃以上で焼鈍した場合にはGoss方位(圧延面が{110}面で圧延方向が<001>方向)への集積度が低くなることが知られていることから、Goss方位を有する集合組織の形成は、Σ9粒界の優先的移動に起因するものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)