炭素・窒素・ケイ素から成る分子ソレノイドの特異な電子物性に関する研究
Project/Area Number |
06453115
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山邊 時雄 京都大学, 工学部, 教授 (80025965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御崎 洋二 京都大学, 工学部, 助手 (90202340)
田中 一義 京都大学, 工学部, 助教授 (90155119)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 電子物性 / 磁性 / バンド構造 / 結合交替 / 分子ソレノイド |
Research Abstract |
本研究は、炭素・窒素・ケイ素などより成るナノスケールのチューブを作製し、特に金属的導電性のような電子物性を示すものを分子ソレノイド、すなわち分子サイズの大きさを持つコイル磁石として機能させることにより、新規なナノエレクトロニクスに対する分子材料として開発を行うこと、およびその基礎的な準備段階として、炭素ナノチューブの電子物性を解析することを目的とした。その研究実績の概要は以下のようである。 (1)単層の炭素ナノチューブのモデルについてその可能なあらゆる結合交替パターンを考え、1次元πバンド構造の解析的な解を求めた。これによると、結合交替の生じた場合でも大小2通りのバンドギャップを持つチューブのクラスに分れることが明らかとなった。最も大きなバンドギャップを与える結合交替パターンは、チューブの構造によって一定の規則があることが明らかとなった。 (2)外径20nmで長さ約10μmの炭素ナノチューブについて、世界で初めて電子スピン共鳴(ESR)法による解析を実施した。炭素ナノチューブ試料はアーク放電法によって炭素電極中に発生したものを酸化法によって精製したものを用いた。ラマン散乱測定によると、この試料はグラファイトと同様に1581cm^<-1>に単一のピークを示した。またこの精製炭素ナノチューブ試料はESR不活性であり、不純物をほとんど含んでいない純粋な半導体であることが明らかとなった。ここから、炭素ナノチューブ試料の電子物性はその生成条件によって大きく変化することが予想され、分子ソレノイドの作製に当たっての有用な指針が得られたものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)