糖尿病における高インスリン血症と動脈硬化-血管平滑筋細胞を用いた分子生物学的研究
Project/Area Number |
06454337
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
繁田 幸男 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60028321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 秀樹 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80156603)
柏木 厚典 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20127210)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 高インスリン血症 / 血管平滑筋細胞 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 脱感作 / IRS-1 / インスリン作用 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
多くの疫学的研究によると、高インスリン血症は冠動脈硬化症の危険因子として確立されている。しかしその血管平滑筋細胞増殖に関する直接的証拠は、インスリン結合と非生理的インスリン濃度でのDNA合成のみ検討されているだけである。我々はこれまでインスリン作用の分子生物学的研究及び糖尿病における高インスリン血症と高血糖の血管障害作用を血管細胞生物学的手法を用いて研究してきた(参考論文参照)。そこで本研究では、インスリンの作用機構に関して、インスリン受容体を過剰発現したrat-1線維芽細胞を用いてインスリン情報伝達機構を明らかにし、更に培養血管平滑筋細胞を用いて特異的インスリン受容体情報伝達系とその異常を検討し、高インスリン血症と動脈硬化症発症との関連を血管分子生物学的手法を用いて明らかにした。 (I)培養血管平滑筋細胞でのインスリン情報伝達系の活性化と細胞増殖:1)生理的インスリン濃度で、培養血管平滑筋細胞のインスリン受容体は自己燐酸化され、IRS-1のチロシン燐酸化を認めた。一方Shcのチロシン燐酸化を認めなかった。その結果生理的インスリン濃度ではMAPkinase、p90RSKの活性化は起こらず、DNA合成の誘導を認めなかった。2)一方生理的濃度のインスリンで、IRS-1に連結したPI3kinase、p70S6kinaseの活性化を認め、AIBの輸送は刺激された。このように平滑筋におけるインスリン作用はダンパンがIGF-1と同様に細胞増殖を促進するかどうかを更に明らかにする。 (II)高インスリン血症による血管平滑筋細胞におけるインスリン作用の脱感作:生理的濃度の高インスリン処理によって血管平滑筋細胞のインスリン結合は低下し、インスリンによる自己燐酸化、p70S6kinaseの活性化が低下した。すなわちインスリン抵抗性が誘導された。 (III)in vivo大動脈平滑筋細胞のインスリンシグナル伝達系と血管機能を検討している。 (IV)高インスリン血症インスリン抵抗性糖尿病モデル動物であるOLETFラットでの大動脈平滑筋細胞におけるインスリン情報伝達機構異常、各種遺伝子発現異常を検討し、高インスリン血症と動脈硬化の初期病変との関連を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)