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¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Research Abstract |
大型成犬実験モデルにおいて左右心室圧-容積曲線を描写させて左心系機械的補助循環の影響を検討した.拍動型補助人工心臓による左房・左室脱血下の上行大動脈送血では自己心拍との競合により脱血流量が一定せず,したがって左室容積は心拍毎に変化し描写される圧-容積曲線も変動し,さらに右室圧-容積曲線は大きく変化した.このため拍動型補助人工心臓による補助効果の本法による評価は不可能であった.次いで定状流型補助循環法である遠心ポンプを使用して左房・左室脱血,上行大動脈送血法にて機械的補助循環法を施行して拍動型脱血の欠点を除き補助効果の評価を行った.定状流のため安定した補助循環が行えると同時に左室圧-容積曲線への影響も一定しており良好な曲線描写が可能で,脱血流を自己拍出量の50%,75%及び100%と増量させ補助効果と両心室への影響を検討した.正常心では左房・左室脱血共に補助量増大につれて左室容積は著減したが左室圧は下降せず圧-容積曲線は横細り型となり外的仕事量(Extermal Work)の減少を認めたがポテンシャルエネルギー(PE)は左室収縮期圧が減少しなければほぼ一定値を示した.しかしながら,左房・左室脱血における差異は等容収縮期・弛緩期における圧-容積曲線の変化で,左房脱血ではほぼ直線的に上昇・下降をみたが左室脱血では両時期にも脱血が行われているため左室圧-容積曲線は三角形型を示しその面積すなわち外的仕事量(External Work)は優位に減少し,左室収縮期の下降もあいまってPressure-Volume Area(PVA)・酸素消費量の低下を示した.また,右室圧-容積曲線では補助量の増大に伴なう大動脈血流量増加のため直接的に右心拍出量も増加するため一回拍出量の増大した横広がりの形状を示したが収縮機能への影響は軽微であった.平成7年1月よりテクポリマー(Plastic球,15^〜20micron)の冠状動脈内注入法で左心不全の作成に成功しており現在,さらに左心不全モデルにおける補助効果の計測と評価検討を実施している現状である.これらの研究業績は今後,欧米医学雑誌に発表予定である.
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