Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
グリア細胞膜小胞分画(GPV)によるグルタミン酸取り込み 膜内外のNa,Kイオン組成を変化させてそのグルタミン酸取り込みレベルを測定し,反応速度論的解析を行った。Kの膜内側での活性化定数,外側での阻害定数はそれぞれ30mMと20mMでほぼ一致していたにもかかわらず,Naの膜外側での活性化定数が140mMであるのに膜内側での阻害定数は4mMであった。一般に二次性能動輸送は膜対称性であると考えられているが,少なくとも我々のグリアにおけるグルタミン酸輸送の反応速度論的解析では膜非対称であることになり,このことの生理学的意義は大きい。逆回転しにくい特殊な機構が存在する可能性がある。 K特異性の高い中性イオノホアであるバリノマイシンを添加すると取り込み活性の増加がみられた。このことは逆にみると,脱分極によりグルタミン酸取り込み活性が阻害されることを示しており,脳虚血時のグリア細胞からのグルタミン酸の遊離機構の一つであることが示唆される。 中枢各部位から調製したGPVのグルタミン酸,GABAおよびグリシンの取り込み活性を検討したが,シナプトソームとの明らかな差異は検出できなかった。 培養グリア細胞によるグルタミン酸取り込み ヒスタミン,リドカイン,ハロセン,プロペントフィリン,クロロアデノシン,MS153,MCI186,イブジラストなど各種薬剤のグルタミン酸取り込みに及ぼす効果を検討した。特筆すべきは,ハロセンの急性投与とプロペントフィリンの慢性投与により取り込み活性の上昇がみられたことである。これらは脳障害予防や改善の為の新しい概念による治療法が示されたとみるべきで今後の発展が期待される。
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