Project/Area Number |
06554025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇田川 康夫 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00004458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 睦明 松下技研新素材研究所, 主幹研究員
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | X線ラマン散乱 / スーパーグラファイト / BN / LiF |
Research Abstract |
モザイク性の良い湾曲スーパーグラファイト(SG)を使った分光器を製作した。このSGはR=240mmのヨハン型湾曲結晶であり、モザイク性が0.2°以下のものである。 (0004)反射によれば5100eV付近、(0006)反射によれば8000keV付近をカバーする。(0004)反射を利用し、長さ100mmの一次元検出器PSPCを使った場合、エネルギー幅約500eVの範囲の信号を同時に蓄積していくことが可能である。この場合分解能は分光結晶の能力よりはむしろ励起光のサイズと検出器の位置分解能との悪い方で決まる。前者は〜0.8mm、後者は0.2mmである。実際に弾性散乱の半値幅は6eVであった。分解能の向上のためには励起光を更に集光するかまたはスリットで絞ることが必要である。 この分光器をつくば市の高エネルギー物理学研究所放射光実験施設フォトンファクトリーBL7Cに持ち込み、X線ラマン散乱の測定を行った。ダイアモンドからX線ラマンスペクトルを12時間の蓄積でS/N>100で測定することができ、従来のゲルマニウム結晶を用いた分光器に較べ、数倍効率が良いことを確かめた。また、BN粉末のNおよびLiF結晶のFの内殻Is電子によるラマンスペクトルを測定した。これは炭素より重い元素のX線ラマンスペクトルの初めての観測例である。本年度には一度しか放射光による実験のマシンタイムが得られなかったが、来年度早々2回目のマシンタイムがあり、更に研究を進める予定である。
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