連続遂行課題における脳障害児(者)の注意過程の神経心理学的研究
Project/Area Number |
06610057
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細川 徹 東北大学, 教育学部, 助教授 (60091740)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 連続遂行課題 / 視覚的注意 / ヴィジランス / 脳損傷 / 痴呆 / 前頭葉 / 機能回復 |
Research Abstract |
連続遂行課題(以下、CPT)は注意の焦点化と集中の過程を定量的かつ簡便に捉える手段として幅広く応用されている。本研究はパーソナル・コンピュータを用いたCPTシステムを開発し、脳障害児(者)や神経疾患患者を対象として注意の神経心理学的メカニズムを明らかにするために行われ、以下の研究成果が得られた。 1.CPTシステムの開発 Rosvold(A-X)型の条件付き文字検出をIBM-PC上で自動実行するソフトウェアを開発した。課題の所要時間は約12分で標的刺激確率は10%、反応の内容(Hit,Miss,False-Alarm,Correct Rejection)と反応時間は自動的に記録される。 2.CPTシステムによる注意過程の研究 (1)知的機能とCPT:注意はすべての情報処理活動の入口であり、認知機能全般に影響を及ぼすが、知的機能そのものとは独立であると考えられている。CPTを脳血管性痴呆やPick病に適用したところ、非特異的な反応時間遅延は認められたが、不注意傾向や衝動性には個人差があり、知能低下と注意障害は直接の関係を持たないことが示唆された。 (2)前頭葉とCPT:注意には前頭葉機能の密接な関与が考えられている。頭部外傷及びクモ膜下出血による前頭葉損傷患者にCPTを適用したところ、10〜20代の若い患者では健常者と同様の結果が得られたが、高齢の患者では反応時間遅延と反応統制の不安定さが認められた。 (3)回復過程とCPT:脳損傷からの機能的回復につれてCPTの成績が有意に改善することが示された。このことから、CPTは回復を予測する指標として有用であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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