脳内報酬系におけるセロトニンの修飾作用(マイクロダイアリシス法による検討)
Project/Area Number |
06610066
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 脳内報酬系 / マイクロダイアリシス / セロトニン / 5-HTP / ドーパミン / DOPA / 自己刺激 / ラット |
Research Abstract |
マイクロダイアリシス法を用いて、脳内自己刺激行動に伴うドーパミンとセロトニンの生合成酵素活性の変化を検索した。被験体にはWistar系雄ラットを用いた。自己刺激部位は内側前脳束、脳透析部位は側坐核とした。術後1週間の回復期間を置いて自己刺激訓練を行い、典型的な報酬効果を示したラットについて、翌日マイクロダイアリシス実験を施行した。脳透析液は、自己刺激行動を遂行する前1時間(ベースライン)、遂行中1時間、および遂行後2時間の計4時間にわたって採取した。ドーパミンとセロトニンの生合性酵素であるチロシン水酸化酵素とトリプトファン水酸化酵素のインビボ活性の指標には、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素阻害剤 m-hydroxybenzylhydrazine(NSD-1015,0.02 mM)を含むリンゲル液の灌流によって蓄積した、細胞外液中のDOPAと5-HTP濃度を用いた。その結果、内側前脳束の自己刺激により、側坐核のDOPAと5-HTPの濃度は、ベースラインに比べ、いずれも著明に増加した。しかしながら、その時間経過には差が認められ,DOPAの増加は自己刺激中にピークに達したが,5-HTPは緩やかな増加を続け自己刺激が終了してから40分後にピークに達した。 以上のように、自己刺激行動に伴いドーパミンとセロトニンの生合成酵素活性の増加が認められ、またその時間経過の特徴は、すでに報告した、ドーパミンとセロトニンの代謝物質で認められたものに類似していた。これらのことから、セロトニンはドーパミンと共に脳内報酬系において何等かの調節的役割を果たしていることが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)