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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
日常生活で発生する音の大半は時間的に変動する音である。この変動によって人は環境における変化を検知し,事象の認知を行う。刺激の時間的変化に対する鋭敏な情報処理能力は聴覚の重要な特性であるが,これについての研究は比較的少数であった。それは音の制御が困難であったためである。この度多チャンネルのDATレコーダを入手できることにより,多数刺激の時間的同期を取りながら種々のパタンの呈示が容易になった。そこで周波数,部分音構造,音圧レベルの変化を異にする種々のパタンを作成,種々の条件で組み合わせ呈示し,音が変化を伴って伝達される時,その音の流れの中から特定の音のパタンとして認知されるための変動パタンの特徴,および他のパタンとの分離のよさを規定する法則としてのゲシュタルトの法則の吟味を行った。また,コンピュータ・グラフィクスの手法を参考に,我々のこれまで開発してきた時間軸にそっての連続判断の手法を洗練させ,認知された音のパタンを線分を用いてコンピュータのCRT上に描く手法を開発した。また微細な時間変動が音の印象に及ぼす影響を調べるため,日常生活での音を録音したものを刺激として用い,種々の背景音のレベルの下で,刺激のレベル,発生パタンなどとの関係について検討し,ある時間範囲全体の印象を規定する法則としてのゲシュタルトの法則について吟味した。得られた結果は本年開催の国際音響学会議,日本音響学会,基礎心理学会の研究発表会などで報告する。
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