サルの図形弁別能力は下部側頭野ニューロン活動によって説明できるか
Project/Area Number |
06610092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
渡辺 譲二 (財)東京都神経科学総合研究所, 医学心理学研究部門, 研究員 (70142156)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 図形知覚 / サル / 下側頭野ニューロン / 図形弁別 |
Research Abstract |
図形知覚の神経機構研究のため、サルの図形弁別課題成績と下側頭野ニューロン活動の各々の分析、それらの相関を解析した。視知覚ニューロンは個々が低い特徴抽出能でも集団で知覚に貢献すると考え、その寄与の方法を探るデータベースをつくることを目的とした。 弁別課題には■+HYとその回転図形合わせて8図形を用いた。これらから2つの図を選び(28対)サルに弁別させると特定対の弁別が成績が悪い。Hとエなど同じ図を回転させた図の対では一般に低成績であり、なかでも◆と■や+と×は弁別が極めて困難であった。この傾向を今年度一頭の追加実験で確認し、さらに一頭で訓練途上である。サル一般に共通の特性であると結論できた。一方、部分的には個性ともいうべき成績の差も見出した。 下側頭野は図形知覚の中枢とされ、後半部(TEO)では特定の図形に選択性を持つニューロンが多数記録できる。前年まで、一頭のサルで記録を完了、今年度は行動実験が完了したサルで記録を開始した。ここまで約1500のニューロンを記録分析し、うち約500が視覚刺激または課題の何かに応答し、さらにそのうち約200は用いた8図形のいずれか(複数も含め)に選択的に応答した。これらの中にはただ一つの図形だけに鋭い選択性を示すものも小数あった。一方、残りの大半は鈍い選択性ながら課題中に活動しているので、これらも積極的に弁別に寄与しているとし、個別のニューロンの28対に対する弁別力を仮定・計算しこれを加算して、ニューロン集団の28図形対に対する弁別力を求めた。これは行動成績と高い相関を示した。今後このデータにおいて、ニューロン活動のどのような性質が行動に関与しているかを調べるためのさまざまな分析を試みることができる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)