弓道における「あがり」の生起機序とその制御に関するアクション・リサーチ
Project/Area Number |
06610107
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮本 正一 岐阜大学, 教養学部, 教授 (40105060)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | あがり / 弓道 / 喚起水準 / 心拍 / バイオフィードバック |
Research Abstract |
本研究の目的は弓道選手における「あがり」の現象を、その生起の心理的・生理的機序、その形態の特徴、ならびにその回復の過程を実証的に明らかにするとともに、弓道選手に脳波のバイオフィードバック訓練を行うことにより、「あがり」の制御を試みようとするものであった。 1.まず岐阜大学弓道部の学生を被験者にして、練習時と試合時における成績・射技動作・質問紙による認知反応・心拍を連続的に測定した。その結果、7名の選手全員が試合時の心拍が顕著に上昇した。試合慣れしていない選手は極端に上昇した。成績と心拍との関係は個人差が大きかった。認知反応は試合の始めにこそ高得点を示すが、心拍とは異なり、時間経過とともにすぐに低下した。これらの結果より、「あがり」の制御は認知反応から接近することが有効であるとの示唆を得た(論文1)。 2.「あがり」の制御において仲間の存在が心理的サポーターになり得るのではないかの仮説のもとに、30名の弓道選手の練習時と試合時を比較した。その結果、技能水準が低い選手では試合の方が高成績を示した。聴衆の期待が高技能者に集中するため、心理的サポーターは高技能者にこそ必要であると考察された(論文2)。 3.岐阜大学弓道部の学生を被験者にして脳波のバイオフィードバック訓練を行うことにより、「あがり」の制御を試みた。リラックスは十分でき、「リラックスするコツを体得できた気がする」という認知反応上の変化も得られた。試合成績への効果は次年度以降に検討する計画である。 これまでの成果をもとに「あがり」の機序に関する理論モデルを提出する計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)