丹波篠山藩における大庄屋の研究-園田家文書の分析-
Project/Area Number |
06610324
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
薮田 貫 関西大学, 文学部, 教授 (80027987)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 丹波篠山藩 / 大庄屋 / 豪農 / 地域社会 / 地域文化 |
Research Abstract |
園田家は初代又左衛門が元禄年間に、丹波多紀郡追入村より宮村に入り、以後、現当主まで11代に及ぶ家系をもっている。そのうち4代八尾右衛門から8代多祐にかけて大庄屋を歴任しているが、文書は6代庄十左衛門から8代多祐--寛政期から明治30年代--の時期に集中している。粗目録によれば同家の文書は、(a)領主である篠山藩制下で勤めた大庄屋など公務に関する文書群、(b)居住地宮村における豪農経営にかかわる文書群(このなかに備中の小泉銅山に関するものが含まれる)、(c)廃藩置県後の近代行政に関する文書群、(d)近世中期から戦前にいたる同家の私的生活(冠婚葬祭、信仰、教育など)にかかわる文書群からなる。 (a)については大庄屋の職務の基本的なことがわかったが、とくに収穫であったのは、伊能忠敬の丹波測量である。文化11年2月、全国測量の一環として一行が篠山藩領を通過したが、大庄屋であった6代庄十左衛門が作成した記録によって、この時の測量事業と藩・村の応接の様子がわかった。また機構としては幕末期、大庄屋のうえに郡取締がおかれ、7代七郎左衛門と多祐が任命されている。(b)については基本的に地主として資産形成し、それが土木工事や救荒事業に投下され、地域社会に貢献する豪農の姿が明瞭になった。この姿勢は明治16年に開通した、柏原と追入村の鐘ケ坂の隧道建設に継承されている。(d)のうち和漢の蔵書は208部、1548冊を数え、64点の専用収納具を確認した。しかし(c)および明治以降の図書については、時間的余裕もなく整理しえていない。園田家は、田艇吉・健治郎の二人の政治家(兄艇吉は自由党所属の衆議院議員、弟健治郎は貴族院議員をへて初代台湾総督となる)を生み出した柏原町田家と婚姻関係にあり、明治以降についても新たな史実の発掘される可能性を秘めている。今後の課題としたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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