政府部門における経営管理主義の展開と受容性に関する研究
Project/Area Number |
06620045
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
山本 清 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (60240090)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Keywords | 経営管理 / 政府 / パブリックセクター / 業績評価 / 官僚制 / 公務員 / インセンティブ / 分権化 |
Research Abstract |
行政改革の新しい理論として公共選択学、代理人理論及び管理会計に基づく新しい経営管理主義(new managerialism)が英国などで実践に移されている。しかしながら、この理念は伝統的な行政管理、公務員文化に内部市場及び誘因制度導入により企業化精神を醸成するとともに行政組織を分権化してライン管理者に裁量性を与え効率を高めようとするものであるから、公務員の意識、態度に影響を及ぼす。特に公務員の行動には、昇進などの非金銭的誘因や国民のために働くという仕事の価値、充実感からなる内発的動機付けが大きな影響を与えている。そこで、非金銭的誘因と内発的動機付けを考慮したモデルを開発して検討を行なった。その分析結果の含意は、1非金銭的誘因の存在は金銭的誘因の強度を低下させる。2非金銭的誘因の強度が大きくなるほど組織の効用は増大する、3公務員間の能力格差が一定範囲にある場合には競争のメリットが生じる、4成果を過度に重視した業績評価制度は内発的動機付けに起因する内発的行動を低下させる、というものであり、経営管理主義の適用に際する留意点を提示できた。 こうしたモデル分析を踏まえて英国と日本の中央官庁の課長級に対する意識調査を行ない、公務員文化、組織風土、仕事に対する満足度及び経営管理主義に関する対応などのデータを入手した。各200名のうちいずれも100名以上から有効回答を得て現在統計解析を進めているが、記述統計で判明していることでも、Hofstedeの国民性調査と異なり英国公務員のほうが危険回避的であること、反対に業務主義の人事管理に関しては英国のほうが支持率がたかい結果となっている。定量的手法による官僚の類型化や組織文化の国際比較研究はほとんどないので、結果をまとめ次第国際学術誌に投稿する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)