Project/Area Number |
06630083
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米山 喜久治 北海道大学, 経済学部・経営学科, 教授 (70097195)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1994: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | QCサークル / 自主管理活動 / 鉄鋼業 / TWI / MTP / 科学的思考 / 経営参加 / 研究開発活動 |
Research Abstract |
徳川封建社会は、近代産業社会における新しい労働エ-トスを準備した。19世紀における欧米先進諸国の強大を影響の下に、明治政府は『富国強兵』、『殖産興業』の国家目標を掲げて、あらゆる種類のハード、ソフト技術の導入に努めた。導入技術に基づき日本人は、実践の過程で工場制度及び経営システムを日本化していった。室町時代以来の“手仕事"の伝統により導入技術を習得し、操業に成功したのであった。導入技術に基づき創業された大企業を中心に長期にわたる徒弟制度による勤続年数が、企業内における従業員の地位を示す指標となった。年功制度は、移転技術と学校教育、企業内技能養成制度、職場教育(OJT)によって成立した。企業内労働市場が、ジョブ・ロ-テーションと内部昇進制度によって形成された。戦前1930年代末には確立された工夫改善奨励制度及び産業報国会による労使協調、社内報による社会情報の共有化システムが、戦後の経済復興と生産現場からのイノベーションを推進する上に大きな貢献することになった。GHQを通じて導入されたTWI,MTP、IE、QCなどの科学的問題解決の思考と方法は、日本人の産業活動における創造性の発揮を助けることになった。科学的思考方法が、伝統的職人気質と結び付き、さらには技術者が、技術情報とノウハウを独占することなく組織内に普及せしめたこと重要な機能を果たした。職種別・階層別教育訓練制度により体得された科学的思考方法が、伝統的職人気質及び集団主義と結合してQCサークル活動(鉄鋼業においては自主管理[JK])活動を成立させたのである。今日創造的なグループウェアを持つJK活動は、初期の従業員の経営参加という意義よりも生産現場レベルの研究開発機能と教育訓練を強く持つに至った。
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