Research Abstract |
等長変換を許容するn次元ローレンツ多様体を分類する問題で、n≧5のとき多様体が許容する等長変換群(但し、各固定部分群がコンパクト)の次元が最高次元に近い場合には、ほぼ解決した。しかし、等長変換群の次元が(n-1)(n-2)/2+1以下のとき未解決である。本研究では(n-1)(n-2)/2+1以下の次元をもつ等長変換を許容するn次元ローレンツ多様体の軌道空間の構造を明らかにすることを目的とした。 本年度は、(n-1)(n-2)/2+1次元の連結等長変換を許容するn次元ローレンツ多様体の軌道空間の構造を明らかにするために、n=4,5の各場合に固定部分群を決定して軌道空間の構造を観察し、一般のnの場合に対する手掛かりを見出すべく、研究を行った。その結果、以下のような知見を得た。 1 n=4の場合に、 (1)固定部分群の次元は、0,1,3の何れかである。 (2)固定部分群の次元が3のときは、等長変換群の軌道は時間的1次元空間である。 (3)固定部分群の次元が1のときは、等長変換群の軌道は超空間であるが、時間的、空間的、光的となる例がある。 2 n-5の場合に、固定部分群の次元は2,3,4,6の何れかである。
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