Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 慎 中央大学, 理工学部, 教授 (10158305)
松山 善男 中央大学, 理工学部, 教授 (70112753)
佐武 一郎 中央大学, 理工学部, 教授 (00133934)
栗林 あき和 中央大学, 理工学部, 教授 (40055033)
岩野 正宏 中央大学, 理工学部, 教授 (70087013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
非線形退化楕円型および放物型偏微分方程式に対する粘性解の存在,一意性,その応用について研究した.これまでに得られている結果の検討,各地の専門研究者との研究打ち合わせを行い,さらに関連ある研究集会等に出席しながら,研究を進めた.具体的な研究経過としては,まずHamilton-Jacobi方程式に対する境界値問題を扱い,状態拘束条件を持つ最適制御における値関数の満たすような境界条件の定式化を取り扱った.Sonerによる定式化をより精密にし,より適切な境界条件を求めることができた.つぎに,係数に特異性のあるHamilton-Jacobi方程式を研究した.この場合にはDirichlet問題やCauchy問題の粘性解は一般に一意性をもたない.粘性解の定義を工夫することによって,最大解を特徴づけることに成功した.この結果はSiconolfiの最近の結果を大幅に改良するものとなった.界面の時間発展に対するレベル集合アプローチにおいて,特異点をもつ退化放物型方程式が現れる.この特異性が原点以外に現れる場合について,試験関数を工夫することにより,初期値問題あるいは初期値境界値問題の解に対する比較定理が成立することを証明した.このことは,界面の運動が等方性をもたないようなかなり広いクラスの問題に対してもレベル集合アプローチが有効であることを示している.最も典型的な場合である平均曲率流について,ある種の近似解法の収束問題を研究した.Bence,Merriman,Osherによって研究された近似法について,その一般化として熱核を一般のコンボリューション核に置き換えるという発想により新しい近似法を提案し,得られる近似解の平均曲率流への収束を証明した.さらに,関連した研究集会“非線形偏微分方程式研究会"を平成7年1月20,21日の両日に開催した.
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