Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
1.軸対称問題の有限要素解析 問題が軸対称である状況の下では円筒座標系を導入することにより3次元問題が2次元化され計算量が格段に軽減する.しかしながら,元の問題にはなかった軸上での特異性が生じる.軸対称流れ問題に代表される鞍点型変分問題に対して,重み付き関数空間で近似問題の誤差評価を与えた.要素の選択には,従来の下限上限条件を尊重する混合型有限要素近似とその条件を必要としない安定化有限要素近似の双方に対して結果が成立する.後者の場合には,軸付近での要素分割にある種の対称性条件を付加することが必要であり,この条件の下で収束性を証明することができる.この方法を用いて球回りの流れの精確な抗力値を現在計算中である.角度方向の展開を考えれば,必ずしも軸対称でない解への解法の発展を考えるときにも,この解析は有用である. 2.Navier-Stokes方程式の有限要素解析 非圧縮粘性流体の運動を記述するNavier-Stokes方程式は,航空機,船舶,自動車,建築物などに関連する流体現象を解析する現実的な要請があり,その数値解析に対する期待は非常に大きい.現実に現れる流れ問題は高Reynlds数であり,拡散現象よりも移流現象が支配的になる.我々は近年,移流項高精度近似の風上型有限要素解法を開発した(M.Tabata and S.Fujima,International Journal for Numerical Methods in Fluids,12:305--322,1991)が,今回は,この解法を3次元問題へ拡張しその安定性を考察し,かつ,ベクトル計算機に対応する計算スキームの高性能化を行った.この結果,計算に必要となる記憶容量が大きく減少すると同時にベクトル計算機上での計算速度も向上し,この手法の現実問題への適用範囲が広がった.
|