Research Abstract |
本研究の対象であるデザインは直交配列,均斉配列であり、前年度までの研究において、我々は巡回型直交配列,均斉配列があるnestedなデザイン(cyclic(γ,λ)-design(V,В,П)with MBN)と同値であることを示し、そのデザインに対していくつかの構成法を与えた。本年度の研究目的はそれらの構成法をさらに充実させることであり,ある条件を満たす2つのcyclic(γ,λ)-designs with MBNとdifference matrix から,新しいcyclic(γ,λ)-design with MBNを構成するという,いわゆる,デザインの合成に関する定理が得られ、その定理から次の結果が示された。 1.v=pf+1とn=p′f′+1を奇素数とする。もし、l_1,l_2,…,l_g,l′_1,l′_2,…,l′_g,λ_0が Σ^^g__<i=1>l_i【less than or equal】p,Σ^^g__<i=1>l′_i【less than or equal】p′,f=λ_0f′,l′_i=λ_0l_i,i=1,2,…,g, を満たすならば,|V|=nv,γ_i=λ_0(nv-1)l_i,λ_i=λ_0l_i(fl_i-1),λ_<i,j>=λ_0fl_il_j,i,j=1,2,…,g,i【double plus】jであるcyclic(γ,λ)-design(V,В,П)with MBNが存在する。 2.v=pf+1を奇素数とする。もし、l_1,l_2,…,l_gがΣ^^g__<i=1>l_i【less than or equal】pを満たすならば,任意の正整数hに対して,|V|=v^h,γ_i=(v^h-1)l_i,λ_i=l_i(fl_i-1),λ_<i,j>=fl_il_j,i,j=1,2,…,g,i【double plus】jであるcyclic(γ,λ)-design(V,В,П)with MBNが存在する。 したがって,1,2の条件を満たすパラメータに対して,巡回的型直交配列,均斉配列が構成されることが明らかになった。cyclic designの議論は差集合と密接に関係しており、ここで考えられているcyclic(γ,λ)-design with MBNを差集合の言葉で表現することもできる。差集合についてのいろいろな結果がどのように一般化されるのかを検討することも本研究の目的であったが,定理としてまとめることができず,今後の研究課題としていきたい。
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