Project/Area Number |
06640452
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
丸山 稔 大阪市立大学, 理学部, 講師 (60117976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 勉 科学技術庁, 無機材質研究所, 主任研究官
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 結晶成長 / 高圧 / ラフニング転移 / ファセッティング / 氷結晶 / プラスチック結晶 |
Research Abstract |
高圧下融液中で成長する氷結晶のプリズム(1010)の成長速度を圧力の関数として測定した。-2.5℃(29MPa=290atm),-4.4℃(57MPa),-15.0℃(163MPa)の各融点において括弧内の融解圧力から、少し圧力を下げることによって、成長の駆動力を与えた。すなわち、液体と固体の化学ポテンシャルの差は、Δμ=(v_S-v_L)(-ΔP)で一般的に与えられ、ここでは-ΔPを0〜2.5MPaの範囲で変えた。過飽和度Δμ/k_BTの値に換算すると、0〜3×10^<-3>に相当する。その結果、プリズム面の成長速度は過飽和度に対して、-2.5℃と-4.4℃では線形則、-15.0℃では2乗則に従うことが明らかになった。このことは、プリズム面は-2.5℃と-4.4℃では原子レベルで荒れており、-15.0℃ではラセン転位をもつ平らな面であることを示唆する。今後はプリズム面のラフニング温度と予測される-10℃付近の温度領域で測定を行い、ラフニング温度の値を正確に決定する。 氷以外の物質では、シクロヘキサンとサクシノニトリルの結晶形態(成長形)の圧力依存性を調べた。常圧の融点下では、これらは結晶面(ファセット)をもたない丸い成長形を示す。加圧すると、融点は氷とは逆に上昇する。シクロヘキサンでは、1atmで7℃であるが、100MPaでは50℃へ融点が上がる。この圧力、融点で成長形にファセットが一部に見え始め、180MPa、80℃ではファセットで囲まれた多面体になる。サクシノニトリル(1atm,55℃)は200MPa、90℃までファセットは現れず、丸い成長形を維持する。使用した高圧セルは最高200MPa仕様のため、今後は400MPaセルを製作する。四臭化炭素、ピバリン酸等多くのプラスチック結晶を扱い、成長速度-過飽和度の関係の測定によって、定量的にラフニング温度を決定する。更に、当初目的とした熱平衡形の観点からも、ファセッティング(またはラフニング)に及ぼす圧力の効果を調べる。
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