Research Abstract |
(Y_<1-X>Ca_X)Be_2Cu_3O_Y(y〜7;x=0.05,0.1,0.2,0.3,0.4)の試料を作成し、X線回折、電気抵抗の測定を行い、超伝導特性を調べた所、x=0.3と0.4については均一な試料でないことがわかった。そこで、Cu-NQRの測定はこの二つの試料を除いて行った。 ^<63>Cuの4重極共鳴周波数^<63>ν_Qの温度依存生の結果、Cu(1)サイトではCa濃度の増加とともに高周波側へ系統的にシフトするが、温度変化に対する振る舞いはCa濃度に依存せず同じである。一方、Cu(2)サイトでは、T=300Kから150KまではCa濃度による違いはなく、150Kより低温で違いが現れはじめ、Ca濃度の増加につれて高周波側へシフトする。これらの測定結果を、クラスターモデルによって解釈すると、Caの導入によってCu(1)サイトにホールがドープされ、150K付近まではCu(1)サイトに留まるが、これより低温になると動きはじめ、Cu(2)サイトへもホールが配分される。その結果、この系はオーバードープ領域にはいる。 Cu(2)サイトの^<63>Cuの核スピン-格子緩和時間T_1の温度依存生の測定結果、x=0.05および0.1のいずれにおいても、常伝導状態での(T_1T)^<-1>の温度依存性はTc直上までキュリーワイス則にしたがい、スピンギャプの振る舞いは見られない。この結果は、オーバードープ系では本質的にスピンギャプが現れないという最近の議論と一致する。 この結果は、Journal of Physical Societyに投稿すべく準備中である。
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