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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は平成4〜5年度科学研究費補助金による研究「真空の磁気光学効果の基礎的研究:稀薄残留気体による非共鳴磁気複屈折性の評価」の成果を引き継ぐものである。真空の磁気光学効果は,強い外部磁場により真空に微弱な複屈折性(屈折率の異方性)が誘起される量子電磁力学的効果である。平成4〜5年度の研究過程で,光学系に多重干渉装置(Fabry-Perot型)を用いることが感度の改善に有効であることが理論解析により予想されたので、今年度は,実験により確認し,将来の本格的装置の試作のための基礎資料を得ることを目的とした。 1.多重干渉光学系の製作 装置の構成は概ね平成4〜5年度の装置と類似しているが,異なる点は,磁場印加領域を,2枚の凹面反射鏡で構成された多重干渉装置の中に配置し,球面光共振器を構成したことである。実験結果ではフィネス32ないし35が得られた。 2.半導体レーザーの周波数制御および多重干渉装置の共鳴周波数制御 半導体レーザーの温度と駆動電流を安定化し,レーザー光出力の変動を光子統計雑音限界まで抑制した。半導体レーザー制御装置は備品として新設した.多重干渉装置の動作の安定化のために,レーザーの安定化と共に,干渉装置の共鳴周波数を,ピエゾ素子により制御しつつ,共鳴周波数が常にレーザーの中心周波数に一致するように制御した。そのための光検出装置およびフィードバック回路を自作した。現在までの結果としては,多重干渉光学系を約60分間,透過出力光の変動4.5%の範囲で安定に維持することが出来た。 3.偏光解析装置の性能向上 偏光解析装置の基本素子であり,偏光解析の精度を決定する重要な要因である。複屈折プリズムの性能の極限を追求した。複屈折プリズムおよび関連光学系の機械的精度を改善することにより,消光比として(2.5〜5.0)×10^<-10>を達成した。 上記の偏光解析装置を,酸素の非共鳴磁気複屈折性の測定に応用した。
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