遠赤外・赤外領域での分子線による高分解能分光法の開発
Project/Area Number |
06640521
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松島 房和 富山大学, 理学部, 助教授 (40142236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 宏之 富山大学, 理学部・助手, 助手 (70242477)
高木 光司郎 富山大学, 理学部, 教授 (60018976)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 分子分光学 / レーザー分光学 / サブミリ波分光 / 遠赤外分光 / 分子線 / 高分解能分光 / 水分子 / 回転スペクトル |
Research Abstract |
遠赤外・赤外領域は分子分光では回転スペクトル・振動回転スペクトルの現れる最も重要な領域である。一昨年、国内では初めて富山大学に、波長可変の遠赤外分光装置が完成した。この装置により50〜1000μmの波長域の分子スペクトルはもれなく観測でき、また従来の測定精度より2桁高い周波数精度のデータがえられるようになった。さらに赤外域でも、9〜11μmの領域で波長可変の赤外分光計が完成した。 これらの分光計を使って種々の分子の分光を行ってきたが,しばしば大切なスペクトル線が他の線と重なって分離できないことがある。スペクトルの分解能は分子のドップラー幅で制限されているが,これを解決するには、試料の分子を分子線の状態にしてドップラー幅を狭くするのが最も確実な方法である。本研究では、分子線を用いて遠赤外・赤外領域でドップラー幅以下の分解能のスペクトル測定をする方法を確立することを目標とし,幸い期待通りの成果を得ることができた。とくに遠赤外の領域では、このような高分解能な測定の例は初めてのものである。 1.線源の開発:分子線を発生する線源部には,スペクトルを豊富に観測できるように,分子の断熱冷却が起きにくいマルチキャピラリーアレイを用いた。線源の形状の異なるものをいろいろ試験して,最適な大きさと形状を決めた。この線源の開発により,低い試料圧でもきれいなスペクトルをとることができ,同位体のような高価な試料でも利用できるようになった。 2.高分解能なスペクトル測定の実現:分子線を用いたスペクトルの高分解能化を,水の同位体H_2^<18>O分子とメタノール分子の遠赤外域のスペクトル線を用いて示すことができた。水のスペクトルの例では,通常の試料セルを用いた場合の線幅が3MHz以上あるのに対し,分子線を用いることにより1/10以下である200kHzの線幅を得ることができた。またメタノールでは近接した2本のスペクトル線を分離して観測できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)