Project/Area Number |
06640630
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 俊一 東京大学, 理学部, 助手 (50188869)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 天然ガス / 炭素同位体比 / 希ガス同位体比 / マントル / 大陸 / 中国 |
Research Abstract |
本研究は中国本土の天然ガス試料の炭素化合物の炭素同位体比を測定し、炭素化合物の起源を調べることと、希ガスの濃度や同位体組成のデータと組み合わせて、大陸下のマントルの化学的特徴を明らかにすることが目的である。 既に200個以上の試料の炭素同位体比の測定を、二酸化炭素からC5化合物までについて行った。多くの試料ではメタン、プロパン、n-ブタン、n-ペンタンの炭素同位体比の間には、δ^<13>C_1<δ^<13>C_2<δ^<13>C_3<δ^<13>C_4<δ^<13>C_5の関係があった。これは、ケロゲンや石油のような高分子炭化水素の熱分解反応によってこれらの分子が生成される場合に予想される同位体分別効果を反映しており、炭化水素が熱分解起源であることが明らかになった。二酸化炭素の同位体比は大きく変動しているが、二酸化炭素の濃度が20%以上である試料のδ^<13>Cは-2〜-8‰だった。この値はマントル起源の二酸化炭素の同位体比とほぼ一致する。こうしたマントル起源の二酸化炭素は東部の鄰廬断裂帯周囲のガス井から得られた。マントル起源の二酸化炭素を含む試料については全希ガス測定を行い、マントル起源の同位体的特徴を持つ、ネオン、アルゴン、キセノンを確認した。このデータは大陸下マントルの化学的特徴を考えるうえで重要である。化学組成の点では大陸下のマントルは海洋下のマントルに比べヘリウム濃度が低い可能性を示すデータが得られた。二酸化炭素/ヘリウム比から二酸化炭素のフラックスを推定するために、この結果は現在検討中である。 本研究で得られた成果は、日本地球化学会の1994年年会で徐ら、中井らにより、またAmerican Geophysical Unionの1994年秋季大会で報告した。また、一部はGeochimica Cosmochimica ActaとApplied Geochemistryに投稿中である。
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