フェムト秒時間分解スペクトルに現れる溶液中分子のダイナミックスの理論的研究
Project/Area Number |
06640641
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 理学部, 助教授 (90004473)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | フェムト秒時間分解 / 溶液中分子ダイナミクス / 双極子誘起双極子相互作用 / 光カー効果 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、溶液及び液体分子集合系でおこる数10〜数百フェムト秒の時定数のダイナミックスのオリジンを明らかにすることであった。 2.まづ我々はヘテロダイン検出時間分解光Kerr効果スペクトルの表式を摂動論的密度行列法を用いて導出した。このヘテロダイン検出法は、CARS等のコヒーレント分光で用いられるホモダイン検出法と異なって一体の分子相関を記述しており解析しやすい。 3.応用例としてクロロフォルム液体(常温)をとりあげた。以下のことが明らかになった。この流体のフェムト秒時間分解スペクトルはNelsonグループによって報告されている。 (1)分子回転効果は寄与が小さい。低振動モードは分子回転自由度ではない。 (2)分子内振動と低振動数をもつ分子間モードのラマン活性モードがコヒーレントに励起されている。これらの分子間振動モードの分布関数が求められた。 (3)instantaneous normal modeの概念を適用することが可能である。このモードは液体状態の分子運動シュミレーションより評価される。 4.分子内と分子間モードの相互作用を取り入れるのが次の段階である。又、分子間ポテシシャルの非調和性を孝慮してスペクトルの温度効果を解明したい。今回導出した時間分解ヘテロダイン検出光Kerr効果プロフィルの表式を振動数領域に変換し、ラマン散乱スペクトル表現を得たい。
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Report
(1 results)
Research Products
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