Project/Area Number |
06640642
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 朱鳥 東北大学, 理学部, 助手 (50218963)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 赤外分光 / クラスター / イオン / 水素結合 / イオントラップ / プロトン移動 |
Research Abstract |
分子クラスターイオンは、イオンの溶媒和を分子レベルで理解する上で重要な情報を与えるものであり、その構造の解明が期待されている。分子構造の研究においては、赤外分光法が最も強力な手段の一つである。しかし、クラスターイオンへの適用は、クラスターイオンの生成とサイズ選別、そして微弱な赤外吸収の検出等の様々な困難のため、非常に研究例が少ない。そこで本研究では、新たな高感度赤外分光法の開発を行った。 クラスターイオンは、従来の様に中性クラスターを光イオン化させるのではなく、単分子をイオン化した後に、細管中で溶媒分子と衝突させることにより生成させた。この方法により、クラスターイオンの生成量を従来より一桁以上増加させた。クラスターイオンのサイズを選択するために、イオントラップ法を用いた。クラスターイオンはかご型のセルに導入され、ラジオ周波数の交流電場をセルに印加する。電場の強度を調整することにより、特定のサイズのクラスターイオンのみを選択してトラップ中に封じ込めた。差周波法により発生させた波長可変赤外レーザー光をイオントラップセル入射し、多光子吸収による解離フラグメントを検出した。この方法により、ごくわずかな赤外吸収を感度良く捉えることが出来、クラスターイオンの赤外吸収スペクトルの観測が可能となった。 具体的な系としては、「フェノール・水」水素結合クラスターイオンを選び、そのOH伸縮振動の赤外分光を行った。フェノールイオンに付着する水分子の数を1-4個と変化させて、それぞれの赤外吸収スペクトルを観測した。スペクトルの解析から、付着する水分子の数が3個以上となると、フェノールイオンから水クラスターヘプロトンが移動反応が起きることが分かった。
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