超高分解能分子分光を目的とする新しいマトリックス分離法の開発
Project/Area Number |
06640649
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 理学部, 講師 (10200354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 高分解能分光 / 差周波レーザー / 固体水素 / パラ水素 / マトリックス単離法 |
Research Abstract |
本研究では、固体パラ水素をマトリックスとした凝縮系における高分解能分光法の開発とその応用を目的としている。本年度の前半では、まずこれまで所有していた液体ヘリウムクライオスタットを改良し、そのなかに光学的に透明な固体水素の結晶をつくるために、4Kから20Kの間で0.01Kで温度を調整できる温度コントロールステージを作製した。このクライオスタットを用いて、安定分子を固体水素中にうまく分散、捕捉させる条件の検討を行った結果、メタンやヨウ化メチル等の分子を捕捉させることに成功した。ついでこの捕捉した分子についてFTIR分光を行ったところ、メタンについてはその回転状態が完全に量子化されている振動回転遷移の観測に成功した。その線幅は、メタンの変角振動については分光器の分解能である0.01cm^<-1>より狭いことが確認された。これは、固体水素中では、水素分子による相互作用が極端に弱く、埋め込んだ分子の励起状態の緩和がほとんど起こらないためであると考えられる。さらにヨウ化メチルについては紫外線照射により生成するメチルラジカルの観測に成功した。そのFTIRによる振動回転線はやはり装置の分解能よりも狭いことが確認された。そこで、本年度の後半では、これらの分子の高分解能分光を行うための赤外光源の開発を行った。2台のリングレーザーとKTP結晶を用いた差周波レーザーを製作し、3から1ミクロンの光を出すことに成功した。 今後は、このレーザー光源を用いることにより、固体水素中に埋め込んだ種々の分子やラジカル、化学反応中間体などの振動、回転、電子励起の高分解能スペクトルを測定することにり、それらの分子の分光学的微細構造を明らかにしていきたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)