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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1)ヘキサフルオロクミルアルコールリガンドを有する3配位ビスマスおよびアンチモン化合物の合成 ArMCl_2(M=Bi,Sb)とヘキサフルオロクミルアルコールのジリチオ化体の反応により、3配位ビスマスおよびアンチモン化合物(1および5)が得られた。対応するトリフルオロアセテート(2および6)に変換後、メトキシ基またはジメチルアミノ基を分子内配位子とするアリールリチウム試剤と反応させて、10-M-4化合物(3:M=Bi,7:M=Sb)を得た。同様の方法で、3座配位子を導入した化合物(4:M=Bi,8:M=Sb)も得られた。3,4,7,8についてはX線解析を行うことができ,ジメチルアミノ基が分子内配位子として中心原子に配位した図示した構造をとっていることが確認できた。 2)ビスマス(III)化合物(1-4)および対応するアンチモン(III)化合物(5-8)のビスマスおよびアンチモン原子上での立体反転エネルギーの検討 まず、ビスマス化合物1-4のCF_3基をプローブとして、^<19>FNMRの温度可変測定によりCF_3基のコアレスを観測し,種々の化合物のビスマス原子上での立体反転エネルギーを求めた。その結果、分子内配位子の数が増加するほど,また溶媒の求核性が増すほどビスマス原子上の反転エネルギーが低下することがわかった(DMSO-d_6中で21.2(1),18.6(3b),15.4(3a),8以下(4)kcal/mol,3aの反転はpyridine中で15.4,2,6-dimethylpyridine中で20.6kcal/mol)。また,対応するアンチモン化合物の反転エネルギーは,すべてビスマス化合物のエネルギーより高く,8の反転を観測することができた(CD_2Cl_2中で9.5kcal/mol)。こららの事実は,edge反転機構に対して計算により予測されている傾向,すなわち(i)中心原子が大きくなるほどエネルギーが低下する,(ii)遷移状態に現れる空のp軌道が2つの求核性配位子により安定化されるという傾向,の予測と完全に一致し,これらの化合物の反転がedge反転機構で進行していることが確かめられた。
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