ジチオラト配位子を有する複核金属錯体をメディエーターとする光電子移動反応
Project/Area Number |
06640700
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
秋山 武夫 上智大学, 理工学部, 教授 (00053637)
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Project Period (FY) |
1994 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 複核錯体中の金属間相互作用 / 複核ジチオラトコバルト錯体 / 混合原子価状態 / 還元電位とハメット定数 |
Research Abstract |
(η^5-シクロペンタジエニル)(1、2-エテンジチオライト)コバルト(III)の2核錯体8種を合成し、それらの電子授受における性質をまず電気化学的に検討した。用いた8種の複核錯体は、Co, S, C, C, Sの5つの原子で構成されるメタラジチオレン環の1つの炭素の上で2つのジチオレン錯体が結合した構造を持っており、もう1つの炭素上に置換基をもった構造をしている。これら複核錯体の酸化還元特性をサイクリックボルタンメトリー(CV)により調べた結果、これまで以下の4点が明らかとなった。 1)用いた錯体はいずれも可逆的な還元波を2つと非可逆な酸化波を1つ示した。金属錯体間の相互作用を評価する尺度として、2つの還元の半波電位の差、ΔEを用いると8種の複核錯体の傾向として、電子求引性の置換基ほどΔEが大きくなること、即ち1電子還元体の安定性が高くなること、が判明した。 2)そこで、8種の複核錯体のもつ置換基の定数(ハメットのσ_p)とΔEをとの相関をとると、置換基としてベンゼン環を持つ(4-置換フェニル基)複核錯体と、置換基としてベンゼン環を持たない複核錯体とでは異なった2つの右上がりの直線を与えた。これらの結果はΔEの大きさが置換基の電子的要因のみならず、立体的要因にも影響されることを示していると考えられる。 3)分子力場計算(MM2)によると、フェニル基を持つ複核錯体のもっとも安定な構造は2つのフェニル基がいずれもコバルタジチオレン環に対して捻れており、ベンゼン環上の4位の置換基の電子的効果がパイ電子系を通じて中心金属まで100%伝わっていないことを示している。一方嵩高い基であるフェロセニル基の場合は計算結果から2つのフェロセニル基が互いにアンチの関係に固定されて居り、2つのコバルタジチオレン環の平面性はかなり保たれている。以上のことは、複核金属錯体の電子移動において2つの金属を結ぶパイ電子系の立体配座の関係が重要であることを示している。 4)電極反応をメチル置換体について詳しく調べたところ、電極上で生成する1電子還元体は、不安定であるため不均一化を起こし、中性の複核錯体と2電子還元体を与えることが解った。この2電子還元体を電子供与体として用いることにより、ほかの電子受容性有機化合物へ電子移動させ、メタラジチオレン化合物が有機化合物の還元に対し、良いメディエーターとなる可能性があることが解った。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)