非平面的な炭素骨格を持つ有機伝導体の開発とその電子構造に関する研究
Project/Area Number |
06640742
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青沼 秀児 東京大学, 物性研究所, 助手 (70231777)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 有機伝導体 / 分子性導体 / 有機πドナー / カチオンラジカル塩 / ナフタレン / アントラセン / 多環芳香族 / アントラセン光二量体 |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究を行った。 1.Benzene,naphthaleneに1,3-dithiole-2-oneが縮環したユニットを、それぞれ2,3-dichlorobenzoquinone,tetrachlorobenzoquinone,あるいは2,3-dichloronaphthoquinoneとdithiocarbamateとの反応を経て、2〜6段階で合成した。芳香環はmethoxy基等で修飾して、溶解度の向上と分子環相互作用の制御をはかった。また、naphthalene誘導体との比較のため、quinoxaline環を持つユニットについても合成した。これらのユニットと4,5-ethylenedithio-1,3-dithiole-2-one等を組み合わせた種々の有機ドナーを、triethylphosphiteを用いたcross-couplingにより合成した。 2.1.で合成した有機ドナーに対して、高圧あるいは低圧水銀ランプを用いて光二量化反応を行い、TTF骨格をtricyclo[4,2,2,2^<2,5>]dodecane等の炭素骨格で立体的につないだ新しい有機ドナーを合成を試みたが、目的物の生成は認められなかった。より反応性の高いanthraceneに1,3-dithiole-2-oneが縮環したユニットを合成し、同様の反応を検討していく予定である。 3.1.で合成した有機ドナーは、二量化には成功しなかった。しかし、分子の長軸方向に共役系が長くのびているため、特異な結晶構造、電子構造の実現する可能性があり、新しいタイプの有機伝導体が期待できる。そこで、現在これらのカチオンラジカル塩の単結晶を作成している。今後、その伝導性や構造について調べる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)