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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
代表的酸性リン脂質,ジミリストイルフォスファチシリレグリセロール(OMPG)のベシクル状分子集合体形成に関しての金属イオンとしてのNa^+,およびCa^<2+>の影響を熱測定と電子顕微鏡観察から検討した。 Na^+共存下においては,この金属カチオンのシヤヘイ効果によって,DMPGは球形ベシクル状の分子集合体を形成するか,このベシクルのサイズおよび2分膜層の多重性は Na^+濃度に依存した。この結果は,DMPG親水頭部の有効断面積の方向から説明され,この面積とベンクルの曲率半径との相関関係が大きく関わることが明らかにされた。一方,この多重膜ベシクルはゲル相温度の熱処理によって,結晶性集合体に移行し,極めて特色的構造を示した。これは,Na^+が拡散電気二重層を形成して,DMPGベシクルと相位作用するという方法ではなく直接,DMPG負電荷と静電的結合によって相位作用するために,このリン脂質の密な充填様式からもたされる結晶性構造体であることを明らかにした。 Ca^<2+>共存下においては,このカチオンはNa^+とは異なる影響を及ぼすことが示された。Ca^<2+>はDMPGベシクルの直接の相位作用をするが,高温度Ca^<2+>共存下では,恐らくこのカチオンの力橋構造形成が関与していると考えられるが,これによってベシクル間をつなぎ止め,ベシクルの会含,それに続いての融合が起きることを明らかにした。Ca^<2+>とDMPGの化学量論的結合はモル比で2:1であり,この相位作用が飽和された状態で,バルク中に存在する遊離Ca^<2+>が上述の力橋構造形成をもたらすことも明らかにされた。さらに,Ca^<2+>のDMPG2分子膜の流動性に及ぼす影響は結晶相で著しく,いわゆる,かたい膜形成に関与することも明らかにされた。
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