細菌鞭毛に特異的な蛋白質輸送機構の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
06640798
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沓掛 和弘 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90143362)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 細菌鞭毛 / 蛋白質輸送 / 輸送シグナル / 輸送装置 / フラジェリン / 蛋白質工学 |
Research Abstract |
細菌鞭毛のフックと繊維は細胞外に存在するので、それらの構成蛋白質は鞭毛形態形成に際して細胞内で合成された後細胞外へ輸送される必要がある。これらの蛋白質はいずれもいわゆるシグナル・ペプチドをもっておらず、管状構造体である既存の鞭毛構造の中心の穴(チャンネル)を通して輸送されるものと仮定されているが、その分子機構はまだほとんど解析されていない。そこで本研究では分子遺伝学的手法を用いて、鞭毛構造を介した蛋白質の輸送機構を分子レベルで解明することをめざした。 1.鞭毛蛋白質輸送に関わる遺伝子flhAとflhBの全塩基配列を決定するとともに、それぞれの産物の特異抗体を作成した。これらをもちいて各遺伝子産物の細胞内局在性を解析したところ、ともに細胞膜内在性の蛋白質であることが証明された。さらに、flhB遺伝子の突然変異により分泌能が変化したものを単離し、その突然変異点を決定することにより、FlhB蛋白質の輸送制御機能ドメインを明らかにした。 2.鞭毛特異的輸送系で輸送される最も主要な蛋白質であるフラジェリンについて、その輸送機能ドメインを解析した。発現ベクターを用いてフラジェリンの各領域を細胞内で人為的に大量に合成する系を作成し、各ポリペプチドの培地中への分泌能を検討した。その結果,フラジェリンには独立に機能する2つの輸送機能ドメインが存在することが明らかになった。 3.鞭毛形態と輸送経路の関係を明らかにする目的で、種々の鞭毛突然変異体において細胞内で人為的に大量発現させたフラジェリンの細胞外輸送を解析した。その結果、基部構造が形成されていればフラジェリンは輸送されることが判明し、フック構造はフラジェリンの輸送には必ずしも必要でないことが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)