寄主植物と寄生者の空間分布動態がもたらす遺伝的多様性:レフュージ効果のモデル解析
Project/Area Number |
06640811
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 正和 東京大学, 教養学部, 助教授 (40178950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢原 徹一 九州大学, 理学部, 教授 (90158048)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 寄主-寄生者相互作用 / 集団の空間構造 / レフュージ効果 / 共存の持続性 / ウィルス接種実験 / 生息地の散在 / ヒヨドリバナ / シャープマメゾウムシ |
Research Abstract |
寄主となる植物とその寄生者(種子捕食性昆虫/病原体など)の永続する関係をもたらす要因として、空間的に生じるレフュージ効果に注目して、野外調査・実験・モデル解析を行なった。矢原は、野外調査によりヒヨドリバナ無性生殖型が高い頻度でジェミニウィルスに感染されることを見いだした。感染率は場所によって大きく異なり、ほとんどの株が感染を受けている場所から、全く感染されていない場所まで、大きな差が見られた。温室での鉢植え株にウィルスを接種する実験により、日射量が少なく薄暗い条件では、ウィルス接種株は対照区の株と比べて成長速度が有意に低下することが分かった。また、嶋田はマメ科植物クララとそれにつくシャープマメゾウムシを対象に小貝川で野外調査した。その結果、寄主植物が存在していてもマメゾウムシがいない場所があることが分かった。そこで、野外調査区で人為的に導入されたマメゾウムシの集団が、どのように分布域を広げていくかを、莢上に産下された卵数をもとに定量的調査した。その結果、少数の個体の導入でも定着すること、1世代当たり20m程度分布域が広がることなどが分かった。これらのデータをもとに、寄主植物-寄生者の相互作用が空間的に広がっていく過程を格子モデルによりシミュレーション解析した。その結果、生息地間の移動率と寄生力(感染力・摂食力)とのバランスで、両者の共存が長く維持されることが分かった。また、確率的に生じる撹乱により、寄主植物は存在していても寄生者のいない生息地があちこちに生じることも明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)